令和6年2月28日(水)参議院自民党政策審議会では、山田太郎政審副会長の司会の下、今年度の法改正が予定される食料・農業・農村基本法の見直しと日本農業のこれからについてヒアリング・議論をしました。
宮崎雅夫政審副会長の紹介で、AFJ(アグリフューチャージャパン)合瀬宏毅代表理事からお話をいただきました。
具体的には、
- 食料安全保障は①国内生産、②安定的な輸入、③備蓄で構成される
- 人口増に対応した穀物は現在でも足りているが、肉食(穀物を食べる牛・豚・鶏等を食べる)の普及により食料危機が生じている
- 日本の購買力は落ちており、商社が開発した品種(フィリピン産バナナ)や野菜も今や中国に買いたたかれている
- これらの現実を受け止め、①量を確保する生産性の向上(大規模農地化のみならず、技術革新の徹底)
- ②担い手の確保(新規就農者の離農を防ぐマネジメント)
- ③消費者理解の醸成(地域内循環の確立、応分のコスト負担への理解)をはかるべき
等について、お話いただきました。
説明後、山本順三議員、加藤明良議員、堀井巌議員、北村経夫議員、浅尾慶一郎議員から質疑がありました。
- 従来は減反や他作物への転作を主張してきたが、和食ブームを受け、コメを輸出品として攻めるべきではないか
- オーガニック、食育や地産地消の場としての「学校給食」の活用、単なる無償化ではない他政策との相乗効果
- 果実類の輸出と手数料の問題(途中経費大で輸出を断念するケースに、どう向き合うのか)
- 金額ベース自給率の向上(高付加価値作物への転換だけではない方法はないか)
閉会に当たり、講師の紹介議員である宮崎雅夫政審副会長、
食料・農業・農村基本法改正案とりまとめに尽力した元農水大臣の野村哲郎参議院議員より、下記のように挨拶がありました。
『コメは敢えて食料・農業・農村基本法には書き込んでいないが、内部では議論を尽くしている(米粉の活用等、麺・パン、更なる拡大の道がある)』