令和7年5月21日(水)政策審議会では「ソブリンAIの必要性と日本の成長戦略」と題し、宮川 潤一(みやかわ じゅんいち)ソフトバンク株式会社 代表取締役社長執行役員兼CEO にご講演いただきました。

- AIの進化は4年で1000倍のペースと凄まじく、2025年には人間の脳の演算能力を超える能力を持つ人工汎用知能(AGI=Artificial General Intelligence)の域に到達するといわれている。
- AIの開発は中国とアメリカの2強となっている。AI製造の元となるGPUチップの調達には民間企業のレベルを超える投資が必要で、国を挙げて議論してほしい。
- ソブリンCloudとは、自国でデータ主権・運用主権・技術主権を持つクラウドサービス。外資企業への依存によって、自国で重要なデータを管理できないことは、安全保障上の根幹に関わる重要な課題だ。
- ソブリンAIというのはソブリンCloud同様、国が3つの主権を持つAIシステム。経済成長及び安全保障、またアジア各国との協調の観点からもソブリンAIを国家主導で進める動きが重要だ。恐ろしいスピードで進化しているので、産学官で一気に巻き返しに入っていくことが必要だ。
との講演の後、出席議員との間で、
- 率直に言って、どの程度の規模の投資が必要か
- 中世からの人間中心文化を持つ欧米に対し、どのような思想性を持ってソブリンAIを開発すべきか
- GPUを作れる能力が日本にはどのくらいあるのか、最先端の半導体を作れるか、技術者がいるかどうかの問題もある、どういった部分から手当てが必要か
- 国がGPUチップを調達するとしても、AI関係事業者が協調して共同利用できるのか
等について、意見が交わされました。