自衛隊・常設統合司令部の創設

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4月24日(水)参議院自民党政策審議会では、石井正弘 政審副会長の司会の下、我が国を取り巻く安全保障環境と自衛隊における常設統合司令部の創設 について、ヒアリング・議論をしました。

冒頭、福岡資麿 政策審議会長より、今月20日(土)の海上自衛隊ヘリコプター事故に対し、犠牲者となられた隊員へのお悔やみを申し上げ、未だ安否が確認されていない方々の早期発見をお祈りいたしました。

その後、同郷・山梨県の 赤池誠章 政審副会長の紹介で、
・自衛隊 山崎 幸二 前統合幕僚長(現・防衛省顧問)より
お話をいただきました。

具体的には、下記のようになります。

  • 我が国は中国(海上進出、力による現状変更)・北朝鮮(緻密なミサイル発射技術保有国)・ロシア(偽旗作戦から核威嚇まで併用)と、連携した覇権主義諸国に直接面している、G7・国際社会でも稀な緊張感の中にいる国である。
  • 現在、災害・BMD等での統合任務部隊設置は必要に応じての都度対応となっているが、より激しい有事やグレーゾーン事態、ウクライナのようなハイブリッド戦に対応できない。
  • 4月10日(水)の日米首脳会談・共同声明でも、自衛隊と米軍の作戦及び能力のシームレスな統合、平時・有事における相互運用・計画策定を深化する旨が発表されている。
  • 統合幕僚長から統合作戦司令官に指揮権、インド・太平洋軍の司令官のカウンターパートを切り分けることで、より運用・指揮を強化していく。
  • 冒頭の海自事故への言及に感謝したい。自衛隊員、皆が遺志を継ぎ、我が国の平和と独立、領土・領空・領海を守り、国民に奉仕するべく服務に励むので、引き続きご支援願う。

説明後、 有村 治子 議員、山田 宏 議員、若林 洋平 議員、加田 裕之 議員、小野田紀美 議員、舞立 昇治 議員から質疑がありました。

  • 常設の統合作戦司令部が今まで設置できなかった理由などはあるのか。
  • 国内外の戦没者慰霊施設への献花・訪問に関する元自衛隊トップとしてのご所見。
  • 縦割り行政に加えて、戦前も陸軍・海軍の競争から敗戦に向かった記憶から、陸自・海自・空自は統合して機能を果たせているのか。
  • 事故等が生じるとやや危険性を煽るように報道されることから、防衛訓練の必要性が中々国民に理解されないが、所見如何。
  • アメリカ以外の国々との二国間・多国間連携(豪・韓・比など)について。
  • 常設の統合作戦司令部の今後のマンパワー不足の懸念、ローテーションの確保について 。
  • 防衛政務三役及び内閣総理大臣の、有事に備えた判断の訓練の必要性について。
  • 階級について、統合作戦司令部の司令官と陸自・海自・空自の幕僚長は同格で良いのか。