5か国視察報告(森まさこ)

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この度、10日間かけて、モロッコ、フィンランド、バルト三国のリトアニア、ラトビア、エストニアの5か国を視察しました。モロッコ議連及び自民党女性活躍推進本部としての派遣です。各地で関係者の皆様が温かく迎えてくださり、学びの多い旅となりました。
これも皆様にご支援していただいているおかげです。学んだことをしっかり今後の政治活動に生かしてまいります。それぞれの国で感じたことなどを、下記に詳しくご報告いたします。



【モロッコ】
大きな成果を得ました!なんとエル・オトマニ首相にお会いすることが出来、その場で福島県の食品の輸入規制を解くように要請したところ、「農水担当を調査に派遣する」との回答を引き出すことが出来ました。同席したわが国の大使館職員も、大変喜んでいました。
そのほか、衆参正副議長、国会議員の皆さまと会談させていただきました。再生可能エネルギー52%を2030年までに達成することを掲げたモロッコ。太陽光、風力発電の技術開発では日本企業が貢献しています。
エル・アラミ経済担当大臣と会談し、ここでも福島県の農産物の輸入規制を解除するように申し入れました。また、将来再生エネルギーだけで自活する決意をした『福島新エネ構想』を紹介し、AI・ロボットの最先端技術開発に取り組む国家プロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」についても意見交換致しました。

 
【フィンランド】
フィンランドと日本は今年国交100周年です。私はフィンランド日本友好議員連盟会長として訪問いたしました。様々な100周年記念行事が各地で開催されており、日本の能の公演も行われていました。
初日は原発政策を担当する雇用経済省を訪問しました。わが福島県は原発の廃炉作業のために世界中の英知を結集しなければなりません。福島第一原発ではフィンランドの汚染水ろ過システム『ヌレス』がアルプスの内部に用いられ、フィンランドの技術者が定期的に技術協力に来てくれています。私はこれまで2度フィンランドを訪れて、原子力規制庁STUKやTVO社、ボシヴァ社など関連企業と情報交換を重ねてきました。今回が3度目の訪問です。以前地下まで潜って視察させて頂いた最終処分場「オンカロ」の担当チーフから、最新の状況をヒアリングしました。

また、自民党女性活躍推進本部長としてフィンランド国会を訪問しました。社会問題・保健委員長からお話を伺いました。男性の育児休暇取得率が8割を超えるフィンランド。大臣が育休を取得する際は、代理大臣を立て、育休後は復帰できる制度もあります。政治家が率先して育休制度を活用、推進していることが印象的でした。フィンランドでは現在、現職大臣が育休中です。男性の国会議員も近年育休を取っています。表敬したエーロラ国会第二副議長も昨年、約2ヶ月間育休を取得されました。男性育休は、54日まで取得可能です。「まだ少し育休が残っているから、これからまた取得するんだ!」と副議長は嬉しそうに話してくれました。

社会福祉関連法に、『全てのフィンランド住民は育児休暇を取ることができる』との条文があるといいます。大臣も育休を取り、国会議員も男女問わず育休を取り、両親ともに子育てを行うフィンランド。子育て環境を支えるのは、先進的な教育や、充実した社会保障など、さまざまなサポート。その根底には、「未来に向けた投資」の意識がありました。
フィンランドのネウボラは、私が大臣時代に日本版ネウボラの予算をつけて導入しました。そのときの担当が奇遇にも現在エストニア大使になっており、話が盛り上がりました。本当に苦労しました。しかし今は、100か所以上のネウボラが日本に出来ました。少子化の解消と子育て世代の安心につながることを祈ります。今回も3度目のネウボラの視察。新しくショッピングモールの中にできたエスポ市のネウボラを視察したら、なんと九州大学の学生たちが子育ての学習発表会をしていて驚きました。日本政府の援助で交流しているそうです。ネウボラにはフィンランド人のパパたちがちゃんと来ていました。子育ての男性参加。日本でも育児休業を取りたい男性は80パーセントいるのに、実際取れている人は6パーセントです。
教育省を訪れ、小学校も視察しました。女性の校長先生が案内してくれて、選挙に使う投票箱を使った模擬投票をしていると説明。実は保育園で3歳ころからグループ分けして政治のディベートをしたり、予算をどう使うか議論したりして決めるそうです。政治への参加と透明性確保が政治への信頼を醸成します。
日本フィンランド友好議連会長として、フィン日友好議連の国会議員の皆さまと国交100周年をお祝いしました。大島理森衆議院議長が会長を務める日本さくらの会から第27代さくらプリンセスも参加。ご寄贈いただいた桜の苗木を、フィンランドの桜の女王と共に記念植樹致しました。

また、スキンナリ開発協力・貿易担当大臣(前友好議連会長)と会談しました。記念品として「令和」の刻印が入った会津漆器(福島県産)をお渡ししてまいりました。
フィンランドのスマートシティついて説明を受けました。「Aurora AI」は、個人のニーズをライフイベントから察知して、「プッシュ型」で行政や民間のあらゆるサービスを提案・提供してくれます。ビックデータを活用した教育も含め、個人がより良く生きるためのテクノロジー、本当に勉強になりました! そして、一番の学びは「テクノロジーは女性活躍の大きな追い風にもなる」ということでした。子育てにかかる沢山の行政手続きから解放してくれたり、妊娠出産子育てに関する補助金をわざわざ調べずとも教えてくれたり。離婚後、養育費の支払い問題も国が追跡してくれます。 北欧最大級のスタートアップ・ハブであるMaria01も視察しました。スタートアップが国の経済を支えています。GDPに占める割合がEU内では1位です。 私も、若いみなさんや、新しいチャレンジを積極的にサポートできるよう引き続き学んで参ります。
昨年図書館コンテストで1位に輝いたヘルシンキ図書館OODYを視察しました。AIが多用され、快適で学びに満ちた楽しい図書館に、赤ちゃんからお年寄りまで日々多くの利用者があります。 仕事も人生も、最適解をAIが教えてくれる福祉国家で、個人の幸せを意識したテクノロジー社会。フィンランドの未来像は、本当に学びが深く参考になる点が沢山ありました。
 

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