新しい資本主義とは何か ―付加価値の適正分配経営― 地方・中小企業・女性活躍への貢献

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5月29日(水)参議院自民党政策審議会では、山田太郎 政審副会長の司会の下、
「新しい資本主義とは何か ―付加価値の適正分配経営― 地方・中小企業・女性活躍への貢献」と題し、
分配政策及び今後の政策立案の在り方について、有識者ヒアリングを実施しました。

上野通子 政審会長代理の紹介で、
・早稲田大学商学学術院教授、オックスフォード大学元主任教授スズキトモ 先生
より、下記のようなお話をいただきました。

  • 日経株価も上がり、企業利益は増大しているが、利益は株主配当及び内部留保(いずれは株主配当)に回り、従業員・役員給与や設備投資に回らない。 
  • 我々が増やさなければならないのは、企業利益ではなく、給与・設備投資といった費用を含めた付加価値である。
  • 株主配当への偏重を是正し、付加価値を適正分配する政策を進めることが「新しい資本主義」である。実際、従業員に自社株の無償配布を行い、還元を促す動きもみられる。
  • インドでは、上場企業にCSR(社会的責任)費用を損益計算書の中に1行で表示させる「One Additional Line」を行い、インフラ改善費用等を自主的に拠出させた。
  • 昨今の政策決定にはEBPMが重視されるが、中長期的な政策形成にを行うには当たってはCancelability、すぐ撤回できるかどうかを考えてはどうか。
  • 自民党政権で実施された「有価証券報告書に男女管理職比率を記載せよ」は、実際にメガバンク等の行動変容を促しており、効果を上げていることをご理解いただきたい。
  • 早大学生への調査結果から、負担軽減・補助金政策より、学校生活や家庭内関係といった子供時代の幸福感を高めるWell-Being政策の方が、出生率改善に繋がり得る。

説明後、三宅伸吾 議員、古川俊治 議員、猪口邦子 議員、森まさこ 議員から質疑がありました。

  • インドの「One Additional Line」について、CSR費用に該当する分野のガイドライン、また虚偽記載への罰則適用はあるのか。仮に日本で導入する場合、障壁となるのは何か。
  • ワニの口、投資家から企業への移動(資金調達)と、企業から投資家への移動(株主配当)の差分はどこに行っているのか。
  • Well-Beingに関連して、党内で選択的週休3日制として時間の自由を重視する政策を考えているが、トモ教授のご所見如何。
  • 子供時代の幸福感を高める政策に関し、PISA(OECD加盟国での学習到達度調査)上位のフィンランドの大使から、同国の自主的教育(宿題を出さない等)を拝聴したことがある。同国は出生率も高く「世界一幸福な国」を標榜しているので、参考にしたい。